バンダアチェ vol3

怪我人はノーサーフって事で、宿の主人ヨーヨーに津波ミュージアムに連れてきてもらいました。

2004年に発生したスマトラ沖地震によって、人口の3分の1近くに当たる17万人もの人々が命を落としたと言う市街は、復興が進んではいるものの、未だに津波の傷跡が至るところで見られます。

赤十字のボランティアで、生存者の救出、遺体の回収、被災者のケアに40日間あたったヨーヨーの言葉は本当に重みのあるものでした。
街中の大き目のドブは、波が引いた後に取り残された遺体で埋め尽くされ、毎日トラックの荷台が一杯になる(100〜150体)程の遺体を回収したそうです。
街のどこに行っても鼻をつく腐敗臭が漂い、とにかく悲惨な状況だったと。
津波警報もなく、多くの人が津波の知識もなかったため、ほとんどの被害者は突然津波に襲われて命を落としたそうです。

現在は、復興が進んではいるものの、未だに手付かずの所も沢山あり、まだまだ時間はかかる事でしょう。

今回の旅で出会った現地の人々は、皆一様にフレンドリーで、礼儀正しい人達でした。
世界では、人の命を食い物にして金儲けするような輩がのうのうと生きていると言うのに、なんの罪もない、いい人達が命を落とす。
本当に、神も仏もあったもんじゃないです。

テレビやネットで見るのとは違い、現地で見聞きした事はすごくヘビーで、重たい気持ちになったけど、自分にとって凄く貴重な経験になりました。

元々行くつもりではいたけど、怪我してなければ「波がいいから」って行かなかった可能性もあったわけで、今回ばかりは怪我に感謝です。

写真は津波ミュージアムの内部と、入り口に展示されている、津波警報が出されなかったためにヘリポートに駐機されたまま津波に飲まれた州警察のヘリコプターです。

IMG_0100.JPG

IMG_0099.JPG